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ケンカの理由

あるなんでもない一日に、それは些細なことから始まった。

「何回言ったら分かるのよっ! このバカキョン!」
「なんだよ。おまえだって何回俺に同じ事言わすんだよ」
「うるさいうるさいうるさいっ! あたしの言ってる事が分からないあんたがいけないのよ!」
「おまえがいくら言おうと俺の方だからな」
「あたしよ!」
「俺だ!」

「こんの……バカキョン!」
と言ってハルヒは俺に、ばふっとクッションを投げつけてきた。

「イテッ! ハルヒ、おまえ何するんだよ!」
さすがに顔面直撃したクッションをそのまま投げ返すわけにもいかず、頭に来たこの感情をどうしてやろうかと思いながら手元のクッションにとりあえず当たってみたりしているうちに、もう一個のクッションが飛んできたり。なんつーキケンな女なんだ、涼宮ハルヒというヤツは。
結局、冒頭のやり取りを数回繰り返してお互いが少しずつ疲れてきたところで「「ふんっ」」という掛け声と共に一時休戦状態に入ったわけだ。

お互いまったくもって引かず、和解なし。と言ったところだろうか。ちょっとでも目が合いそうになるとワザとらしく逸らしあう。
そうやってお互い交渉決裂してどれくらいの時間が経ったのだろう。
そろそろ腹も減ってきたことだし、いつまでもこんな状態でいいはずがない。俺は壁にかかった時計を眺め、記憶を少しずつ辿っていく。

そんなことをしているうちに俺はケンカの発端に行き着いて、そのことを思い出して思わず笑ってしまった。
今まで腹に堪ってたマイナスな気持ちはあっという間にどこかへ吹き飛び、一秒でも早く仲直りがしたいと思う自分の気持ちにも苦笑をして、今にも頭でお湯が沸かせそうな勢いのハルヒに声をかける。
「なあハルヒ」
シカトされるかと思ったら全く正反対に、いつもは大きくてくるくると表情が変わる目を思いっきり細めてジトーっと睨んできた。
「なによ」
思い切り不機嫌な声で答えてくれると同時に「ふんっ」とご丁寧にセリフまでつけてそっぽを向いてくれる。

「我々がこうなった事の発端は一体何だったかな?」
まったくこいつらしいな、と心で苦笑いをしつつ、俺は質問をハルヒに投げかける。

「こうなった事の発端って、あんたがあたしの言うことを聞かないからでしょ」
「ふむ。それでは「あたしの言うこと」って一体なんだっけ?」
不機嫌大全開の顔で掴みかかる勢いのハルヒに一つ突っ込んだ問いかけをした。

「あたしの言ったことって……あ」
そこでやっと気が付いたのか不機嫌な顔が一気に晴れ上がる空のような表情に変わった。

まあしかし、どうしてこいつは表情がくるくると変わるんだろうか。
笑って、怒って、しかめっ面してまた笑って。毎日そばにいてもまったく飽きないわけの一つになってるんだろうなと思いながらこのケンカを終わらせるために俺は口を開く。
「でもってだ、原因を思い出したところで引き分けにしないか?」


「あたしの方がキョンを好きなんだからね!」
ハルヒの近くにいる人間だって絶対見たことないと言い切れる、俺だけに向けた百ワットの笑顔でそんなことを言われると嬉しい気持ちの反面、俺だって、とも思う。

「分かったよ。でもな、俺も負けてないからな」
そう言って目の前に突きつけられた人差し指を軽く握ってハルヒの身体を引き寄せる。

「もう! 仕方ないから許してあげる」
耳元でくすくすと嬉しそうに言うハルヒの小さい身体を、ありったけの好きという気持ちを込めて俺は抱きしめた。

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テキスト原稿が行方不明でインデザ立ち上げて拾い出しました。
インデザ重いんだよー。

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