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せんべい

2時限目が終わった後の短い休み時間。
ちょうどこの時間ってのは腹が減るんだよな。早弁ってのもいいが食費が余計にかかって仕方がない。
俺は通学途中にに寄ったコンビニで購入したせんべいを腹の足しにしようと食っていた。
ちょうど後ろの席に陣取ってるハルヒは授業終了とともにどっかへ飛んでいったため不在。
あいつがいるとこの袋の中身は半分、いやほとんどが俺の胃の中に収まらなくなってしまうからな。好都合だ。
まあ、そんな感じでばりばり食っていたわけだが、せんべいの臭いをかぎつけたのか、はたまたただの偶然か。
いつもなら始業ぎりぎりにならないと席へ戻ってこないハルヒが帰ってきた。
ああ、目の色が変わったように見えたのは気のせいかと思いたい。

「あらー、キョン。いいもの食べてるじゃない」
「やらんぞ」
防御体勢を取る。しかしハルヒはかなりの確立で防御力無視のクリティカルヒットを出してくるから厄介だ。
案の定、せんべいの袋はハルヒの手に渡り、大口を開けてザラザラと流し込まれていく。ああ、俺のせんべい。ありがたみがまったくない。
「こら、全部食うな」
ハルヒの手から袋をひったくる、反撃だ。無事救出完了。
「まったく。欲しいなら欲しいと言いなさい」
なんだか妹に説教している気分だ。
「えー!キョンのくせに生意気よ!」とかなんとか横でわめいているが知ったこっちゃない。
なんで一言、素直に「下さい」と言えんのかね、こいつは。

俺が聞く耳持たぬと悟ったのか、あきらめたようだ。
「ねえ、キョン、あたしも食べたい」
うむ、よしよし。初めからそう言えば快くおすそ分けしたものを。
「ほれ、手を出せ」
「わーい」

とまあ、そんなやり取りを何回かしているうちに無限ではなく、限りなく有限であるせんべいが残り少なくなってきたわけだ。

「あれ、もうない?キョンので終わり!?ずるい!よこしなさい!!」
ちょい待て!このせんべいは俺のだぞ。最後ぐらい俺に食わせろ。
「うるさーい!団長に楯突くなー!!」
そういってハルヒは俺をジトッとした目つきでにらむ。
そんなに食いたいのか。せんべいが。

やれやれ、だ。

仕方がない。
俺は自分でくわえているせんべいをそのままパキっと二つに折りハルヒの口に突っ込む。
ああ、俺って大人だな。
「あむ」
これで満足か?
せんべいは勢いよくハルヒの胃の中に収まっていく。まあ、食いっぷりがよろしいこと。お前に食われりゃせんべいも本望だろうな。
「ごちそうさまっ!」
せんべいごときで四捨五入して100ワットの笑顔を見れるのなら安いものだろう。

そのとき俺は後ろから誰かに肩をたたかれた。
「キョンよ……」
そこには、とても悲しそうな、かつ恨めしそうな面をした谷口の姿が。コイツもせんべいか?
「おう、谷口。どうした?悪いがせんべいならもうないぞ」

ふとクラスの空気が生暖かいように感じたのは気のせいだろう。

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