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ホワイトデー

今日は3月14日、俗に言う「ホワイトデー」だ。
1ヶ月前のバレンタインデーに女性から何かしらアクションがあったらそれに対して「お返し」をする日といってもいいだろう。
俺と古泉はSOS団の女性メンバーからありがたくチョコレートを頂いたわけであり、もちろんそのお返しをしなければならない。
ちなみにハルヒ、朝比奈さん、長門の3人から個別に頂いたのだが、頭から順に「チョコレート」「義理」「寄贈」というメッセージが添えてあった。
さて、どのようなお返しをすればいいかな。

5時限目が終わった後の休み時間、ハルヒは相変わらずジェットコースターのように終業の鐘とともに教室を出て行った。
今日は天気がいい。暖かい陽気だからあいつはきっとあそこで寝転んでいるんだろう。
大体の目星を付けて俺はハルヒの後を追った。

「よう」
案の定、ハルヒは屋上にいて腕を枕に寝転んでいる。
なんで俺だとわかると仏頂面になるんだよ。

寝転んでいるハルヒの横にしゃがむと俺は制服の右のポケットから小さな箱を、左のポケットから少し大きめの箱を取り出しハルヒへ差し出した。
「ほれ、バレンタインのお返しだ」
仏頂面だったハルヒの顔がみるみるうちに笑顔、でも100ワットには遠いかな、になっていく。
「ねえねえ、開けていい?」
「どうぞ」
ゴソゴソと目の前で包みが開封されていく。
相手の意見を聞かずにあげたものを目の前で開封されるという行為はなんだか緊張するな。
「あっ、これって!」
そういってハルヒが小さな箱から取り出したものは携帯電話のストラップ。
毎週のように開催されている不思議探索ツアーで何度かハルヒと一緒になったとき、アクセサリーコーナーで必ず足を止める物だった。
そんなに欲しけりゃ買えばいいじゃないか。なんて言ったら
「バカキョン。値段見なさいよ。高校生の分際で携帯アクセにこんな高額出せないわよ」
なんて言われたのを覚えている。
女性のアクセサリーなんて興味がないからそれが高いか安いかなんてわからない。しかし毎度あんなに欲しそうな顔をしているハルヒを見たらお返しはこれしかないかなと思ったわけだ。
「ホントにいいの?これ貰っちゃって」
お前の口から遠慮の言葉が出るとは。返されても困るからな、是非とも貰ってくれ。
「一言多いわよ。アホキョン」
早速、ハルヒは自分の携帯にストラップをつける。
「うん、可愛い!ありがとね。キョン!」
もう1つの箱はブランド物の焼き菓子。しかし、なんでクッキーみたいな生地にクリームをはさんだだけの小さなものがあんな値段するんだ。俺にはまったくもって理解不能だ。
「このお菓子大好き。前にみくるちゃんから貰ったことがあるのよね。あんたにしちゃ気が利くじゃない」
へいへい、いつも気が利かなくてすみませんね。

さてと、お披露目も終わったことだし教室に戻るか。
「次は数学か。俺予習してねえや。当たるかな」
ハルヒに背を向けて屋上から建物に続く扉へ向かって歩き出そうとしたときに腕をむんずと捕まれた。
「なんだよ」
「ちょっと。他に言うことはないのかしら?キョン?」
ハルヒはニヤリと笑顔を作ると得意気に俺に詰め寄ってきた。
さて、他に何か言うことなんてあったっけか?しばらく考えるふりをする。
「いや、ないと思うが」
その手には乗りませんよ、ハルヒさん。
俺はハルヒに何も言われてない。それをどうお返しすればいいんだ?
ほらほら、授業が始まるぜ、と再びハルヒに背を向け歩き出す。
ちょっと意地悪が過ぎたかな、どうしたものかと思ったところで背中に衝撃が走った。
「おわっ!」
「キョンのことが好きなの!」

後ろから抱きついてきたハルヒが何かを言ったと同時に6時限目始業の鐘が重なる。

「返事は?」
怒ったような照れたような数種類の表情が入り混じった顔で聞いてくるも
「いやー、鐘の音で何言ってるんだかわからなかった。もう一度言ってくれ」
と返す俺。
「ちょっと!バカキョン!!なんで聞こえなかったのよ!!」
いやあ、これは俺のせいじゃなくて鐘の音がいけないんじゃないのかね。
さて、どうする?ハルヒ。

「……き、き、キ、」
「……き、き、キ?」

「……キョンのことが好き!」
目じりに涙を浮かべ真っ赤な顔でキッと睨んでくるハルヒ。やべえ、可愛い。
「へ、返事は!」
ああ、頬が緩むってこういうことを言うんだな。きっと随分だらしない顔をしているのだろう。
怒りなんだか、恥ずかしいんだか原因不明で震えてるハルヒを抱き寄せて俺は「お返し」をする。
「俺も好きだ」

この後6時限目はきっちりとサボり、教室に戻ったときに生ぬるい視線を多々感じたのは言うまでもない。


高校生の物価感覚がわからない。ああ過去りし青春時代。

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