スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

春の月

手をつなぐの続きです。


夕飯、部屋で食うか?とハルヒに聞いたら
「お父さんもいるんでしょ?団長としてご挨拶もしなくちゃね!一緒にいただくわ」
とこいつにしちゃまともなことを言い、親にからかわれつつ夕飯を済ませた後、ハルヒと共同作業のおかげかいつもの倍以上のスピードで宿題を終わらせ
「キョンく~ん、ハサミ貸して~」
とこれまた狙ったように妹が乱入してきて、気が付いたらもう21時を過ぎたところ。
あまり遅くなるとハルヒの親御さんも心配するだろう。
「ハルヒ、もうそろそろ帰らなくていいのか?」
乱入してきたまま俺の部屋に居付いている妹とゲームをしているハルヒに声をかける。
「え、もうそんな時間?」
「えええ~!ハルにゃんもう帰っちゃうの~??」
妹はハルヒにくっついて離れようとしない。「泊まっていきなよ~」「え、いいの?」
そこ!勝手に話を進めない!!
「はいはい、そこまで。明日も学校だしな。ほれ、送っていくから用意しろ」
俺は自分の上着をはおりながらハルヒへ上着を渡す。
「だって。ごめんね、妹ちゃん」
さすがの妹もハルヒの言うことは聞くらしい。
「ん~、わかった。また遊びに来てね。ハルにゃん!」
お兄ちゃんに対してもこれくらい素直だといいんだけどな。

ここのところ日中暖かいとはいえ日が落ちるとさすがに冷える。
ハルヒに重心を崩される前に俺はハルヒに手を差し出した。
「ほれ」
「え?」
おやおや、下校時の勢いはどうしたのかね。
「寒いだろ、手を繋ぐぞ」
驚いた表情が一瞬にして笑顔に変わる。
「うん!」

「しかし、一体いつまで寒いのかね」
「暑さ寒さも彼岸まで、って言うじゃない。もうすぐ過ごしやすくなるわよ」
さすがに冬の夜みたく底冷えはしなくなったがな。気が付いたらあっという間に暑くなってしまうのだろう。
ふとそのとき横を歩いているハルヒが歩みを止めた。
「どうした?」
そこには空を仰ぐハルヒが。俺もつられて空を仰ぐ。漆黒の空にはきれいに輝く半分の月。
「お月様、きれいね」
そういえばあまり空を見上げることなんてここのところなかったような。

「なんか、春の月って温かくない?」
「あたたかい?」
「そ、温かいのよ」
そう言って空を見上げていたはずのハルヒが抱きついてきた。
「こんな風にね」

「そうだな」
ハルヒを抱き返し、再度見上げた空には先ほどとは違う柔らかい光を放つ月が輝いていた。

手をつなぐ

Utility

ABOUT

R254

Author:R254
掌編のみのテキストサイト。
ノーマルと腐が同居。
開店休業中です。

CONTENTS

■INDEX
■涼宮ハルヒの憂鬱 ■サイトについて
■オフライン
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。