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帰り道

長い一日がやっと終わった。月曜日って憂鬱なくせに会議だなんだと忙しいのよね。
あたしは心の中で愚痴りつつ、ホームへ滑り込んできた電車に乗り込む。
帰宅ラッシュ時なのにもかかわらず、乗ってる車両が当たりなようで席を確保するのはとても簡単なことだった。
「はあ」
思わずため息が出てしまう。いけない。月曜日からこんなんじゃ一週間乗り切れないわ。
空いている車内のおかげで立っている人が障害にならず、対面の窓から都会の夜景を眺めることができる。ああ、きれいね。

おなかすいた。帰ったら何食べようかな、明後日の会議資料は明日の午後に作ろう、月曜日のテレビって何か面白いのあったっけ、と席に座ってぼーっとしているうちに10分程が過ぎたらしい。

キョンはまだ仕事中かな、ゴハン一緒に食べようって誘ってみようかな。でも仕事中じゃだめか。

なんて考えたときに電車のドアが開いた。あ、ここ、キョンがいつも使ってる駅だ。
ぼーっとしているときって周りが見えてるようで見えてないのね。あたし全然気が付かなかったわ。

ドアが開いたと同時に勢いよく乗り込んできた人があたしの前に立った。
他の席が空いてるのに座らないのね、この人。次の駅で降りるのかしら。そう思ったとき

「よお、ハルヒ」

頭からいつも聞き慣れた声が降ってきた。え?まさか?
あたしは思い切り頭を上げて目の前に立っている男性を仰ぎ見た。
「キョン!」
「おつかれさん」
そこにはスーツ姿のキョンがいた。
「なあハルヒ、これから時間あるか?良かったら飯でも行かないか」
あたしの頭の中を覗き見してるんじゃないのかってくらい今考えてたことを言ってくれるわね。
「あんたがあたしを誘うなんて100年早いわよ?」
自分で言っておいてなんだけど、嬉しくて頬が緩むのがわかる。
「ニヤケ顔でそんな事言っても説得力ないぞ。なに食べたい?」
もう、キョンのくせに突っ込んでくるな!
「パスタ。パスタ食べたい!」

5駅先のターミナル駅で下車し、あたしの希望でパスタ屋に行き夕飯を済ませたその帰り道。
「ねえ、なんであたしがあの電車に乗ってるのに気が付いたの?」
キョンに会えたことに気を取られて大事なことを聞き忘れてたわ。
「今日はいつもハルヒが帰る時間に近かったからさ、乗ってないかと思って眺めてたらたまたた見つけたんだよ。でもおまえ、前の方に乗ってるだろ?見つけた途端ダッシュだ、ダッシュ」
「運動不足が解消されていいじゃない」
「まあな。でもおまえ、全然気が付かなかったよな」
あんたのこと考えてたなんて恥ずかしくて言えないわよ。
「むう、ちょっと考え事してたのよ。あんたと違って色々複雑なんだから」
「そうかいそうかい、俺はどうせ単純だよ」

「ほら、家まで送ってってやるよ。帰ろう」
そう言ってキョンはあたしに手を差し出してきた。

「うん」

あたしはキョン曰く100ワットの笑顔で手を取った。憂鬱な月曜日はどこへ行ったのかしらね。

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