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マフラー

物々交換の続きみたいなものです。


いつもの通り団活を終えた帰り道。
今日はなぜかみんな途中で早退しちゃって下校はキョンとあたしの二人だけ。
大寒を超えて寒さのピークは超えたとはいえまだまだ冷える。日が落ちるのが早い夕方のこと。

はあ、今日はいつもより寒いんじゃないのかしら。マフラーを忘れてきちゃったせいか首元がスースーするわ。
「あれ?ハルヒ、マフラーしてないのか?」
部室を出てくる時に気が付かなかったのかしら?相変わらず鈍感ねえ。
「んー、今日はちょっと寝坊しちゃってね。慌てて出てきたら忘れちゃった」
正直、首元が寒い。首に巻かないだけでこんなに違うのね、油断したわ。
コートの襟元をかきあわせるようにすると隣を歩いていたキョンが
「ほら、俺のマフラー貸してやるよ」
って自分の巻いていたマフラーをあたしに差し出してきた。
「え、いいわよ。第一それ、あたしがあげたやつじゃない」
あたしがあげたっていうよりかキョンに帽子を作らせて強引にあたしが編んだマフラーと交換したんだけどね。
「ほう、おまえの口から遠慮すると取れるセリフを聞けるとは」
「ぐ、ちょっと一言多いわよ。キョン」
ちょっと下手に出るとすぐ調子に乗るんだから。あたしはちょっと、ほんのちょっと面白くなくてプイッと横を向いた。
そんなあたしにキョンはなぜかニコニコしながら
「ほら、ついでだから巻いてやる。こっち向け」
なんて言ってきたのよ。ま、まあ、やってくれるんならありがたく親切は受け取らないとね。

「……ん?なんか余るな」
あたしの首にマフラーを巻くキョンの手が止まる。
当たり前よ。男物だもん。すこし考えて余った分は後ろで結んでくれた。
うん、暖かい!

キョンはあたしの首にマフラーを巻き終わった後、あたしを見ながら
「はは、やっぱりおまえって小さいんだな」
って言ってきたけど、あたしはあんたよりも背が低いんだもん当たり前でしょ。

「……ありがと」
お礼はきちんと言ったわよ。キョンは団員その一だけど団長として礼儀は通さないとね。
そうしたらキョンはちょっと戸惑い気味にあたしの頭をポンポンと軽くたたいた。

「さ、帰るぞ」
「うん」

そしていつもの帰り道。でもなんだか心も温かいのはなんでかな。



いつもの帰り道。今日はなぜかハルヒと俺の二人だけだ。
長門も古泉も朝比奈さんも時間差があれど用事があるだとかなんだとかで早退してしまった。
しかし、大寒も過ぎたというのにまだまだ寒い。しかも夕方だというのに日が落ちる速度が速いせいかすっかり辺りは夜のようだ。そのせいか余計寒さが身に染みる。

学校の校門をくぐるまで気付かなかったのだが、ハルヒの首元にいつもはあるマフラーがない。
俺?俺は以前ハルヒからもらったマフラーをしているぞ。あ、いやこれはもらったというか強奪されたものの代わりというのか……まあいい。
そのハルヒにちょっと聞いてみた。
「あれ?ハルヒ、マフラーしてないのか?」
そうしたらコートの襟元をかき合わせるように
「んー、今日はちょっと寝坊しちゃってね。慌てて出てきたら忘れちゃった」
だそうだ。こいつも寝坊することがあるんだな。まあしかし寒そうだな、俺の貸してやるか。
「ほら、俺のマフラー貸してやるよ」
そう言って俺は自分の首からマフラーを外しハルヒへ差し出した。
「え、いいわよ。第一それ、あたしがあげたやつじゃない」
「ほう、おまえの口から遠慮すると取れるセリフを聞けるとは」
「ぐ、ちょっと一言多いわよ。キョン」
そう言ってプイッと横を向くハルヒ。遠慮する心意気にサービスしてやる。
「ほら、ついでだから巻いてやる。こっち向け」

「……ん?なんか余るな」
自分で巻く回数と同じく巻いたつもりだがしっくりこない。余った分は後ろで結んでおくか。
奇天烈で振り回されてばかりだがやっぱりこいつも女の子なんだなあと思ってしまった。
「はは、やっぱりおまえって小さいんだな」

そしてハルヒにしちゃ珍しくお礼を言ってきた。
「……ありがと」
マフラーに顔を埋め上目遣いで見られたらなんだか可愛くて。
俺は照れ隠しもこめてハルヒの頭をポンポンと軽くたたいた。

「さ、帰るぞ」
「うん」

そしていつもの帰り道に戻る。首元は寒いけど心は温かい気がするな。

物々交換

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