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シャツとハルヒ

 新婚旅行先の空港で手荷物受け取りのテーブルで流れてくるはずのあたしのスーツケース。
 待てど暮らせど全然出てこないじゃない!しかも全ての荷物は出きりましたといわんばかりに同じ荷物がぐるぐると回っている。
 隣にいるあたしのだんな様であるキョンは自分のスーツケースを片手に困り顔。
「こりゃあロストバゲージかもな」
 ロ、ロスト!?無くなっちゃったの?あたしの荷物!
「多分どっか違う飛行機に載ってるんだろう。仕方がない、航空会社に手続きに行くか」
 そっか迷子か。無くなっちゃったわけじゃないんだ。ちょっと安心したわ。でもせっかくキョンと二人だから見せようと思って新調したワンピースが入ってたのに。どこ行っちゃったの、あたしのスーツケース。

 いきなり荷物行方不明でテンションの低いあたしをキョンが引っ張っていき、ロストバゲージの手続きをしてホテルへ向かった。
 手続きをしてくれたキョン曰く、どうやらあたしのスーツケースはお隣の国まで遠足に行っちゃったみたい。
 明日には滞在先のホテルに届くように手配してくれたわ。キョンったらなかなかやるじゃない。
 でもなんでキョンと一緒に預けた荷物が隣の国まで行っちゃったのよ。

 ばふっ。
 荷解きをしようにも荷物がないあたしはそのままベットに倒れこむ。あーあ、もう疲れちゃった。
「ねえ、キョン。着替えたいよう……」
 着替えがないのに着替えたい。無いと余計欲しくなる心理ってヤツね。キョンに言ってもあたしの着替えは隣の国。
「そうだなあ、ずっと同じ格好だとしんどいだろ。今日はもう出かけないから俺の服でも着てるか?」
 そう言ってキョンはあたしにシャツを投げてきた。仕方ない、今日は夕食で部屋を出る以外はキョンの服を借りることにしよう。
 荷解き中のキョンの背中を眺めながらゴソゴソ着替えを始めたんだけど……これ、ぶかぶかだわ。

「しかし、旅行初日からロストバゲージなn」
 あたしの格好を見てキョンが固まった。どうしたのかしら?
「どうしたの?キョン」
「あー、こりゃマズイ」
 顔に手を当ててそう言うキョンは心なしか焦っている様な感じがする。
 なんだかよく分からないあたしはキョンの顔を覗き込む。

 そうしたらいきなりキョンに抱きすくめられた。

「ちょ、ちょっと。どうしちゃったの?」
「ハルヒよ、その格好は心臓に悪いかもしれん」
「え?なんで??」

 ほんの少しの沈黙の後、キョンが口にした言葉にあたしは真っ赤になったのだった。

「はっきり言おう。その格好は……そそる」
「……エロキョン」

 ロストバゲージに感謝、したほうがいいのかしら。そんな新婚旅行初日。


なんですぐ「萌えの人」ってバレるんだろう。

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