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メンテナンス

誰だって何も言わないで抱きしめて欲しいときがある。と思うのは俺だけか?

この数日、ハルヒの様子がおかしい。笑っていたかと思えばいきなり黙り込んだり、声をかけても上の空だったり。時折、切羽詰ったような表情をしたりするのも少し気になるところだ。
それとなく古泉にバイトの件数を聞いてみても特にこのところは出動要請はきていないという。

いつもの変哲の無い平日。部室には俺とハルヒの二人だけ、他のメンバーは揃いも揃って掃除当番らしい。
ハルヒはいつものようにPCのモニターを覗き込みネットサーフィンでもしているように見えたのだがマウスをクリックする音が全く聞こえてこない。
視線を団長席へ向けるとハルヒは頬杖を付いてぼうっとモニターを眺めている。明らかにおかしくないか?あの台風みたいな存在感のハルヒが今は無風状態だ。

「どうした?」
ハルヒの横に立つも俺の存在に全く気が付いていない。
「ハルヒ」
今度は肩を軽くゆすって声を掛ける。やっと気が付いたのか「ハッ」と俺の方に顔を向けるとなんだか今にも泣き出しそうな顔をしている。こりゃ、重症だな。

「なんだ?どうした?」
気が付いたら俺の手はハルヒのサラサラと流れるきれいな髪を梳いていた。
その行為が引き金になったのか分からないが、ハルヒの瞳から一気に涙があふれ出る。
理由はなんだか分からないが、今まで表面張力で溢れまいと頑張っていたんだろう緊張が一気にはじけた感じが手に取るように伝わってくる。

俺は頭を撫でていたその手でハルヒの頭を自分の胸元に引き寄せた。
誰だって何も言わないで抱きしめて欲しいときがある。と思うのは俺だけか?

しばらくすると胸元のハルヒがごそごそと動き出した。もう大丈夫か。

「ありがと。キョン」
先ほどの張り詰めた感はすっかり取れて、その顔にはスッキリと晴れた空のような笑顔が浮かんでいる。
どういたしまして、団長のメンテナンスも雑用係の仕事だからな。

「顔洗ってくる!」
そう言ってバタバタと部室を出て行くハルヒの後姿を見て、今の行為に対して言い訳を考えている自分に苦笑する。
まったく、素直じゃないね俺も。

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Author:R254
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