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電話 ハルヒサイド

ああ、何だってこんなに緊張するのかしら。ただ単に電話をするだけじゃない。
携帯電話に登録されているキョンの番号を呼び出しては電源ボタンで消してる自分がいる。
この動作を一体何回繰り返したことやら。
用事があれば何もこんな思いをしないで通話ボタンを押せるんだけど。

そう、今のあたしにはこれといった用事がない。

「腹をくくりなさい!涼宮ハルヒ!!SOSの団長でしょ!!
団長は団員の生活が乱れていないかチェックしないといけないのよ!!」

気合よ、気合。掛け声なんて何でもいいわ。えい!押すのよ、押しなさい!あたし。

プチっ

通話ボタンを押した。まさに気合で押したといえるほど力が入っていた。

やだ、押しちゃったわ!ど、どうしよう。け、圏外とかにならないかしら、留守番電話とか……
しかし思いは届かず、電波が正常に届いている証拠の呼び出し音が鳴った。

『トゥルルルル……』

なんて1コールが長いのかしら。1コールが1分くらいに感じる。
出るかな、キョン。出なかったらかけてきてくれるかしら。
2コール目。なんか10分くらい待たされてる気分だわ。出るなら早く出なさいよ、キョン!
3コールが終わった頃にガチャ、と受話ボタンが押された音がした。繋がっちゃったわ。

『もしもし』
相変わらずやる気のなさそうな声で出るわね。緊張してる自分がバカみたいだわ。
「出るのが遅い!バカキョン!!」
『ハルヒ、声がでかいんだが』
「もう、あんたが出るのが遅いから用件忘れちゃったじゃない」
出るのが遅いのは本当よ。たかだか3コールと思ってるだろうけど、あたしにとっては20分くらいに感じたのよ。
用件忘れちゃったのは……忘れちゃったのよ、きっと。なんて、元々ないけど。
『おいおいおい、俺のせいですか』
「そうよ責任とりなさいよ。よってあたしが思い出すまで会話に付き合いなさい」

なんだか納得いってなさそうな感じだけど、キョンは電話に付き合ってくれたわ。
今何してるのか、夕飯はどうだとか、なんてことない日常の会話を20分ほど。

「じゃあ、おやすみ。また明日学校でね!」
『おう、夜更かしすんなよー。おやすみ』

ピッ、と終話ボタンを押す。やった、上手くいったわ!
用件のこと突っ込まれるかちょっと冷や冷やしたけど忘れてるみたい。
でもこの手はしばらくは使えないわね。次の手を考えなくちゃ。

あーあ、恋愛は精神病だって本当よ。
キョンの声が聞きたくなる度にこんなことやってたら身が持たないわ。
いつまでこんなことしたらいいのかしらね。

電話 キョンサイド

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Author:R254
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