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バラの世話

なんてことないいつもの帰り道、今日は珍しく団長のお達しで部活は休みと相成ったわけで俺とハルヒは一緒に下校中である。
「ねえ、キョン」
隣を歩くハルヒが楽しそうに俺に話しかけてくる。今日はやけにご機嫌だな。
「なんだ?」
「あのね、最近あたしバラを育て始めたの」
ほう、バラね。今度はバラを大量に育てて花の妖精さんでも呼び寄せるつもりか。
「違うわよ、この前の日曜日に母親とバラを観に行ったんだけどすっごく綺麗でね。鉢植えでいっぱい売ってたから一つだけ買ってきたの」
こーんな小さい鉢なんだけどね、と手振り身振りで購入したバラについて説明するハルヒ。
「形も色も香りもいっぱい種類があってびっくりしちゃったわ。選ぶのにすごい時間かかっちゃった」
「で、おまえのところのそのバラは何色なんだ?」
「んふふ、聞いてくれたわね。赤よ、赤。バラって言ったら赤でしょ」
ごそごそとハルヒは携帯電話を取り出し俺に向かって差し出した。そこには綺麗に咲き誇るバラの写真が。
「なかなか綺麗じゃないか」
俺が褒めるとまるで自分が褒められたかのように嬉しそうな顔をして、えへへと照れるハルヒはなかなかに可愛い。

「でね、バラってとっても素直なのよ」
俺から携帯電話を取り戻し、写真を見ながらバラのことについて語りだす。
「可愛いとか綺麗とか大好きとかね、愛情を込めて育ててあげるとそれに応えてくれるんだって」
「へえ、そりゃ育て甲斐があるな」
「でしょでしょ。あたしのところのバラはまだあまり花が咲いてないんだけどね。毎日愛情込めて世話をしてるからこれからが楽しみなのよ!」
目をキラキラさせてバラについて熱く語るハルヒは正に親バカ状態である。

「なあ、素直じゃないバラってあるのか?」
俺は隣を歩くハルヒに向かってわりと真面目な表情で問いかけた。
「はあ、あんた何言ってんの?」
そんなのあるわけないじゃない、と呆れた顔で見上げてくるハルヒに俺は自分で質問しておきつつも答えを投げた。

「あるじゃないか目の前に」
そう言って俺はハルヒの顔を覗き込こむ。そして次にこう言ってみた。もちろんたくさんの愛情を込めてな。

「可愛いぞ、ハルヒ」

「…………!!!」

素直じゃないバラは一瞬訳が分からない表情をして、次の瞬間一気に赤くなる。
「ばっ、バカ」
言葉とは裏腹にハルヒはバラが花開くような綺麗な笑顔になる。
これこそ素直じゃないバラそのものじゃないか。

「愛情を込めて育てるとそれに応えてくれるんだろ?」
「そうよ、サボったら枯れちゃうんだから」
そう言ってぱふっと抱きついてきたハルヒの背中に手を回し、俺はバラの世話も悪くはないなと考えた。

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Author:R254
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