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いじめないでよ

授業が終わった瞬間、俺はハルヒに襟首をつかまれ引きずられるように教室を出た。
連れて来られたのはいつもの屋上へ出る階段の踊り場。
俺に背中を向けているハルヒの表情は今ひとつ分からない。チラリと覗き見える耳が赤いのは先ほどの授業中にあった出来事のせいか。
「ハル」
俺が声をかけたその瞬間に勢い良く振り向いたハルヒの顔は熟れたトマトのように真っ赤であり、目が合うとバツが悪そうな表情を浮かべ、目をつい、と逸らした。
「あ、の……さっきの」
振り向いたときのパワーはどこへ行ったのやら。
「さっきの?」
「ええと、あ、アレよ」
「アレ?」
何を言いたいのか分かりながら聞き返す俺も人が悪い。言いにくそうに詰まるハルヒがなんとも可愛くてついつい苛めてしまいたくなる。
あーうー、と言葉にならない音を赤くなりながら発するハルヒには悪いが、思わず口元がほころんでしまう。
そんな俺を見て何を勘違いしたのか
「な、何ニヤニヤしてるのよっ! こっ、このエロキョン!」
とまあ、なんとひどい言葉。勢いづくのは構わないがそりゃあないだろう。

「そ、そうよ、あんたのあの言葉!」
そのまま勢いに乗ってやっと口に出した言葉に俺はあくまで冷静に、何事もないかのように言葉を返す。
「ああ、授業中に俺がハルヒを好きだって言った事か?」
「っ!」
しれっとハルヒに爆弾発言をして一歩前へ出る。腕を伸ばせば自分の胸にハルヒの小さい身体を抱きとめるのが簡単な距離感で俺は今の発言についての返事を求めた。
「ハルヒは?」
見上げてくる瞳に吸い込まれないようにするのがこんなにしんどいとは。ますます顔が赤く染まるのを目の前にしてさらに言葉を重ねる。
「おまえはどうなんだ?」
ハルヒよ、早く言ってしまえ。俺は一方通行の気持ちのままでおまえに振り回されるのはもうごめんなんだ。

…………

少しの沈黙の後、ようやく腹を括ったのかハルヒが重い口を開く。
「……す」
「す?」
たった二文字なのになかなか口に出来ない。でも俺はハルヒの口からその二文字を聞きたいんだ、追い詰めるつもりはこれっぽっちもないんだが。ごめんな。

「……す、す、好きに決まってるじゃない!」

叫ぶように言い放ち、そのまま勢い良く俺に抱きついてきた。
しばらくして俺の胸元でぽつりと呟いた言葉にいとしさが一層募る。

「あんまりいじめないでよ……バカキョン」

俺はごめんの意味も込めて抱きしめる腕に力を入れた。さて、次の授業はどうしようかね。

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