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夕立

 夏の天気は変わりやすい、のか知らないがさっきまでカンカンに照っていた太陽があれよあれよという間に厚い雲に覆われて急に激しい雨が降ってきた。
 俗に言う「夕立」だな。これで少し過ごしやすくなるといいんだが。
 部屋の窓から外を見るとどっかで見た事のある人影が傘も差さずに走ってくるのが見える。
 どうやらその人影は俺の家に用事があるようだ。

 そう思ったその瞬間、机の上に置いてある携帯電話が鳴った。着信は「涼宮ハルヒ」
 ほう、チャイムを鳴らす前に電話をしてくるとは。あいつにしちゃ珍しいこった。

 既にハルヒが下にいるのを知っている俺はあえて電話に出ず、大急ぎでバスルームに行き新しいバスタオルを引っつかみ玄関を開ける。

「!」
 開けた先にはずぶ濡れで携帯を耳にあてているハルヒがいる。
「よう、どうした?」
「ち、ちょっとなんでキョンがここにいるのよ!?」
 未だに携帯電話を握り締め驚くハルヒに、ここは俺の家だと当たり前の事を言って玄関に招きよせる。
「たまたま外を見たらお前が走ってくるのが見えたんだよ」
「そうなの、ふーんたまには気が利くじゃない」
 はいはい、いつも気が利かなくってすまんな。

「ほら、こっち来い」
 俺は引っつかんできたバスタオルをハルヒの頭にかぶせワシャワシャとかき混ぜた。
「あっ、やだ!何するのよキョン!」
「こらこら、暴れんなって」
 風呂上りの妹とまったく同じ反応をするのがなんだかおかしいな。

「はいよ、お疲れさん」
 随分強引にやったわりには絡むわけでもないハルヒの髪。
 むう、と幾分ご機嫌斜め気味で頭に乗せたバスタオルから見上げてくるハルヒのすっかり水気が取れた頭をぽんぽんと軽く叩く。
 傍目には機嫌が急降下のように見えるその表情。まったくこいつは素直じゃないな。
「ま、素直じゃないところが可愛いんだが」
 ハルヒに目線を合わせてまじめな顔をして言ってやる。

 一瞬ハルヒは何を言われたのか理解できずポカンとするも意味を理解した瞬間、一気に顔が真っ赤になる。
「あ、あ、あ、あんた、今なんて」
 わなわなと全身を震わせ、熱気でバスタオルが乾きそうな勢いのハルヒをどうにかしてやろうかと思ったのもつかの間、こりゃ風邪引かれたら堪らんという思いの方が俺の中で勝ったらしい。
「生憎今日は家人が出払っててな。運がいいぞおまえ。ほれ、上がってシャワー浴びて来い。そのままだと風邪引くぞ」
 頭にかぶったバスタオルで真っ赤な顔を隠して玄関に突っ立ってるハルヒを上がらせ脱衣所に突っ込む。

 やれやれ、今日は運がいいのか悪いのか。
 着替えを取りに自室へ戻ると窓の外はすっかり元のカンカン照りの晴れ模様。
 先ほどの雨はどこへ行ってしまったのやら。

 あれ?そういえばハルヒは何の用事で家に来たんだ?
 まあいい夕立とはいえ別に夕方じゃないからな、あらかた何かにかこつけて遊びにでも来たんだろう。
 さてさて、我が家に来た団長様をどうやってもてなすかね、そんな事を考えながら窓の外を見るとそこには綺麗な虹がかかっていた。

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