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ありがとうって言えなくて背中に抱きついた

 あたしはただ一言「ありがとう」って言えなくてキョンの背中に抱きついた。
「ハルヒ?」
 キョンが不思議そうに後ろに抱きついてるあたしへ振り返る。

 ギュッと抱きついてなかなか離れようとしないあたしに、滅多にない優しいトーンでキョンが話しかけてくる。
「抱きついてくるのはとっても嬉しいんだがな。さすがの俺もそれじゃおまえが何を言いたいのか分からん」

 言葉にしないとちゃんと相手に伝わらないぞ。抱きついたあたしの手を包む大きな手がそう言ってる。

「あのね」
「うん」

 たった5文字、なんで言えないんだろう。自分が自分で嫌になる。

「ゆっくりでいいから」
 そう言うキョンはきっととっても優しい顔をしているんだろうな。あたしの目の前には大きい背中。見えない表情を想像したら急に気持ちが楽になった気がする。
 うん、今なら言えるかな?

「あのね、キョン」
 キョンは返事をする代わりにあたしの手を包む手に力をこめる。

「ありがとう」
「いいえ、どういたしまして」

 向き合ったキョンは多分あたししか見たことないであろうとっても優しい顔をしていた。

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